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今回は実際に起こった事件をテーマに作製された【誰も知らない】について
深堀(解説)します。ネタバレ注意

誰も知らないとは

1988年に発生した【巣鴨子供置き去り事件】をモチーフにした作品です。キネマ旬報やフランダース国際映画祭にて最優秀作品賞を受賞するなど、国内外の映画賞を多数受賞し、高い評価を受けています。また長男を演じた当時まだ14歳主演の柳楽優弥が第57回カンヌ国際映画祭において史上最年少および日本人として初めての最優秀主演男優賞を受賞した作品でもあります。
映画情報

タイトル | 誰も知らない |
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監督・脚本 | 是枝裕和 |
作製年 | 2004年 |
作製国 | 日本 |
キャスト | 柳楽優弥、北浦愛、福島京子、木村飛影、清水萌々子、韓英恵、YOU串田和美、岡元夕紀子 |
あらすじ

2DKのアパートに母親のけい子(YOU)と息子の明(柳楽優弥)が引越してくる。大家には母子2人暮らしだと話すが、本当は他に子供が3人いた。子供たちはそれぞれ父親が違い、全員出生届は出されておらず、長男の明は学校に通ったことさえなかった。けい子はデパートで働いており、昼間は明がきょうだい達の世話をしていた。しかし、やがてけい子は男をつくり、家に帰ってこなくなってしまった。4人の子供の運命はいかに・・・

巣鴨子供置き去り事件
東京都豊島区で1988年に発覚した保護責任者遺棄事件。父親が蒸発後、母親も4人の子を置いて家を出ていき、金銭的な援助等を続けていたとはいえ育児放棄状態に置いた。、母親が保護責任者遺棄致死の罪で逮捕・起訴され、懲役3年執行猶予4年の有罪判決を受ける。 長男は三女の死に関与したとされ、傷害致死ならびに死体遺棄で東京家庭裁判所に送致された後、状況を考慮され養護施設に送られる。
映画の感想(ネタバレ注意!)
映画の印象は【実際の事件をモチーフに作られている】わりには【ソフト】な仕上がりになっています。見ている方にも事件性よりも何か訴えかけているようにも感じました。
是枝裕和監督の世界観を堪能してみて下さい。
実際に是枝裕和監督は「どちらかが正しくてどちらかが間違っている」という善悪の二元論で語ることはしていない。社会的な問題として取り上げられた事件を扱ったとしても、主観的または独善的な視点を入れることなく、多角的かつ客観的に物事を“観察”できる、観客に解釈を委ねるという作品を作り続けていると言っていいだろう。
結局のところ見る側の何を汲み取るかは人によって大きく異なるという点が是枝監督作品の大きな特徴であり魅力でもあります。
是枝監督の見る方によって善悪で判断するのではなく観察して、観客に判断を委ねるというスタンスは考え方や発想は自由で凄く良いと思います。是枝監督ワールドの世界観が国内外での高い評価にも繋がっているのでしょう。
ここからは私の個人的な意見となりますが・・・
母親のけい子(YOU)は親よりも‘‘女性でありたい‘‘、‘‘まず自分が幸せになりたい‘‘が優先している所が気になりました、まだ小さいお子さんもいるのに、長男の明は小学校にも行かずに‘‘全て‘‘やっています。
観る方によって作品を自由に捉えられる観点から非常に見やすいと感じました。もちろん映画ですので、どう受け取るかはみなさんの自由です。ですが、見た後も紋々といろんなことを考えされられてしまいました。そう言った意味では観て欲しい作品です。
まとめ
今回は【誰も知らない】(邦画)を紹介しました。
- 2004年作品 監督・脚本を是枝裕和氏
- 実際に起きた【巣鴨子供置き去り事件】を基に作られている
- 母親のけい子(YOU)の自由な生活と長男の明に注目
- 国内外の映画賞を多数受賞
- 視聴者を発想を感化させる是枝の世界観
- 結末はハッピーエンドではないが、自由な観点から観て欲しい作品
- 自由な発想で考えさせる作品
最後に
フィクションでありながらも映画から学べることって非常に多いことに気付かせてくれた作品の1つです。さらに実際に実話をモチーフに作製されているため、観ている際も衝撃的なシーンなど含めて、改めて考えさせてくれる作品でした。
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最後までご覧いただきありがとうございました。